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FXは危険な副収入

 FXとは、外国為替証拠金取引の事。外貨を買う場合には外貨預金もありますが、外貨預金との大きな違いはレバレッジがかけられるという事、そして売りからも買いからも入れるという点です。
 レバレッジとは、株でいえば信用取引と同じようなもので、手持ちの資金の何倍もの通貨を買ったり売ったりすることが可能な仕組みです。信用取引は最高3倍まで可能ですが、FXの場合は日本の個人口座の場合、25倍まで取引が可能になります。法人口座であれば100倍以上、海外口座なら400倍のレバレッジが可能な場合もあります。具体的な例でいえば、円でドルを買いたいとします。ドル円のレートが80円であれば、1ドル買うのには80円必要ですが、レバレッジ100倍であれば80円で100ドルの買いポジションを持つ事が可能になります。日本の個人投資家向け口座は最大25倍に規制されていますから、80円であれば25ドルのポジションが取れます。取引単位は、最も取引単位が小さい業者では100通貨から取引可能ですから、極端な話、ドル円が80円であれば、(80円×100)÷25の320円からでも取りあえず取引にチャレンジできることになります。といってもFXはスプレッドといって、売りと買いのレートに差があり、ポジジョンを持った瞬間にスプレッド分の損失が出ますから、本当にぴったり320円しかない口座では取引できません。
 売りからも買いからも入れるというのは、株式の空売りとはちょっと異なります。日本円で例えばドルを購入することは、FXでもドルを「買う」という状態になります。そして「売る」状態というのは、ドルで日本円を「買う」状態の事を指します。ちょっとややこしいのですが、FX口座に日本円を持っていたら、その日本円をドル換算した金額で、逆に日本円を買った状態になるという事です。日本円でドルを「買った」状態であれば、レートが上がる、つまりは円安に傾けばその分利益になり、逆に円高になれば損失になります。ドル円を売っている状態であれば、その逆のレートが下がったら利益がでる事になります。つまり、レートが上がると予測すれば「買い」、下がれば「売り」のどちらでも好きな方を選ぶ事ができます。株の場合は、空売りするにはまず買わなければいけない点が、大きく異なるところです。
 FXの利益の出し方は、株と同様、キャピタルゲインとインカムゲインの二種類です。売買による利益がキャピタルゲインです。FXでのインカムゲインは、金利差を使ったものです。日本は現在、世界的に見ても低金利な状態です。そして日本とは事なり、高金利な国もあるわけです。つまり金利が低い日本円と、金利の高い国の通貨を、日本円で「買う」状態を作れば、高金利な国の金利を受け取れる事になります。FXはレバレッジがかけられますから、外貨預金とは異なり手持ち資金の何倍もの金利による利益が可能になるのです。
 FXが副収入の方法として有効なのは、なんといっても取引時間の長さです。私設取引ですから、業者によって若干取引可能時間は異なりますし、ニューヨークタイムが基準になるので夏と冬でも取引時間は変わるのですが、日本時間でいえば月曜日の早朝から土曜日の早朝まで取引が可能になります。会社勤めの人は、家にいる夜や早朝、専業主婦であれば子供が学校に行っている日中、深夜勤務がある人は朝から、などなど、余裕のある時間を選んで取引に参加することができます。
 FXは、知れば知るほど、誰もが参加しやすい仕組みだとご理解いただけたと思います。ですが簡単に参加しやすいだけで、もちろん簡単に儲けられるわけではありません。先ほどレバレッジの話をしましたが、日本で個人投資家にレバレッジ規制があるのは、リーマンショックの時に損切りができず、資金を全て失ってしまう投資家がたくさんいたり、FXにのめり込んで借金をしてでも投資を続け破産してしまったりした人が多かったからです。レバレッジ25倍であっても、資金管理や計画性のない人にとっては。リスクが高い取引なのに変わりはないのです。